作業所の時間はゆったりと流れます。ここには「急げ!」「早く!」という言葉はありません。ここに集まっている人たちは、いわば競争社会から途中下車した人たちです。行動の早い人たちもいますが、それでも世の中の流れには乗っていけないのです。
 

 
 
文明は、人間に急ぐことばかりを教えて、立ち止まって考えたり、まわりをゆっくり見ながら歩いたり、時にはふり返って自分のあしあとを眺めたり、まわり道をしたりする余裕を奪ってしまったのではないでしょうか。ドイツの作家、ミヒャエル・エンデが書いた「モモ」という物語は、そんな文明への批判を、「時間どろぼう」というイメージで描いています。その言葉を借りるならば、ワークハウス雲に通ってきている人たちは、決して「時間どろぼう」に時間を盗まれなかったので、立ち止まったり、うずくまったり、の〜んびりと歩いたり、まわり道をしたり、躊躇したりしている間に、競争杜会から落っこちてしまったと言えるかもしれません。


作業所は原則として4日間ひらきます。今年度は月・火・水・木曜日で、金曜日は、通って来れない方のお宅を訪問したり、事務処理をしたりする日として、お休みをいただいています。何日間通うか、何曜日に通うかは自由に決めていただいています。水曜日の午後はレクレーションになっていて、毎月どんなことをしたいか希望を聞いて、楽しい時間を過ごしています。トランプなどのゲーム、ボウ

リングや卓球などのスポーツ、カラオケ、ハンドベルの合奏練習、映画鑑賞、誕生会、季節ごとのお楽しみ(お花見など)、ドライブ、買い物などです。その他、年に2回小旅行を行いますが、参加は自由です。月曜日と金曜日は「お弁当の日」で、火、水曜日が自分達で昼食を作る日です。当番は二人で、協力し分担し、教えたり教えられたりしながら作ります。昼食のメニューは、月曜日にみんなで決めます。


作業所での平均的な一日をお知らせします。
朝8時15分頃に送迎の車が出発します。東山町、川崎村、千厩町、藤沢町と巡って出席者を乗せ、10時頃に作業所に到着します。朝の会では、出席をとってからその日の日直、掃除当番、食事当番の確認をします。最後にその日の作業内容の発表があり、その後30分ほど散歩をしてから、作業を開始します。
昼休みは、それぞれパソコンでゲームをしたり、テレビを見たり、ピアノを弾いたり、読書をしたり、お昼寝をしたりしながら過ごします。
午後の作業は3時半頃に終え、それぞれの分担で掃除をしたあと、お茶を飲んだりしながら帰りの会をして、4時頃に作業所を出ます。送迎の車は再び四町村を回ってそれぞれを家に送り届け、6時頃作業所にもどります。


★はたおり
「城 みさお」という人が考案した「さをり」という織り機を使って、織っています。
年に3回、仙台から講師を招いて講習会をひらいています。みんな真剣にやっていますが、縦糸のかけ方がむずかしく、今年度あと1回の講習会でなんとかマスターして、棒ネクタイやマフラーを織りたいものだと努カしています。「結び織り」という織物も始めています。こちらはタペストリーや玄関マットなどを織る単純な織物です。
【ミシン】ミシンは3台あって、今縫っているのは、タオルエプロン、ベビーエプロン(よだれかけ)、ピロケースです。どれも直線縫いなので、むずかしくはないのですが、タオル地が厚くて縫いにくいので、分担しています。産直センターに売りに出していますが、注文の方が多くて、貴重な収入源となっています。

【パソコン】パソコンは4台あります。今は、ゲームを楽しみながら、パソコンに親しめるようにしていますが、少しずつタイピングや基礎的な繰作も学んでいます。ある程度覚えたら、名刺や年賀はがきの注文をとって、作成したいと考えています。
【ハーブ栽培】春から夏にかけてハーブの栽培をしますので、外仕事が多くなります。収穫したハーブは乾燥させて、匂袋や入浴剤やお茶として売りに出します。


特定非営利活動法人の定款 第2章「目的及び事業」
第3条(目的)
この法人は、心身に障害がある人達、不登校のため学校生活のできない青年達、社会に適応できないために就労できない人達が、共に活動することにより、互いに成長し、意欲を持って生活を楽しむことができるようにするための親睦と社会復帰のプログラムを計画・実行することを目的とする。更に、作業所を設立・運営することをも目的とする。
第5条(事業)
この法人は、第3条の目的を達成するため、次の実業をおこなう。
(1)特定非営利活動に関わる事業
@送迎サービス等の福祉サービスに関する事業
A障害者余暇活動支援事業
B障害者作業所運営事業
C利用者本人また家族に対する相談援助事業
D会報及び出版物の発行
Eその他、第3条の目的を達成するために必要な事業


正会員と協力会員によって支えられています。作業所に通っている人は利用会員です。
利用会員の保護者の方には、特別な事情がなければ、正会員になっていただいています。
それぞれの会員の年会費は下記のとおりです。
正会員6,000円協力会員一口2,000円
利用会員12,000円(月額1,000円)これは車両維持費になります。