コラム - 『社会的ひきこもり』について@

社会的に深刻な状況にある【ひきこもり】についての資料を以下に掲載致しました。今現在お困りの方々の手助けになれば・・という思いから掲載に至ったものです。何かのきっかけになりますようにご一読頂ければと思います。      (このコラムは、岩手県福祉総合相談センター 「社会的ひきこもり」より抜粋しました)


思春期青年期のこころには、さまざまな葛藤があり、同年代の友達との人間関係も複雑になります。この時期は、自分自身が自己の存在を肯定的に認められるようになることが必要ですが、そのためには良好な人間関係を維持できることが前提になります。
なんらかの原因による一時的な反応として、ある期間ひきこもることがこころの傷を癒す為に必要であることも考えられます。自室にこもることで自分を守りながら、自分自身の力で強い自我を育て、他者との関係を模索している場合もあるのです。右にも左にも動けないとき、動かずじっとして、がんばってこころのバランスをとっているのかもしれません。一番どうにかしたいと思っているのはご本人です。本人は「ひきこもりではない」「ひきこもりは悪くない」「ひきこもっていてもいいじゃないか」と言うかもしれませんが、ほとんどの人が内心では『このままではいけない』と思っています。将采の自分が不安でしかたないのです。ひきこもっている本人は元気に社会に出てゆけない自分を責めてしまっています。ですから、元気な姿になるためには、周りの援助が必要です。



「20代後半までに問題化し、6ヶ月以上、自宅にひきこもって社会参加しない状態が持続しており、ほかの精神障害がその第一の原因とは考えにくいもの」と斎藤環氏 注)は著書の『社会的ひきこもり-終らない思春期』の中で定義をしています。
「社会的ひきこもり」とは、あくまでも状態像の記述であり、医学的診断名ではありません。大まかな枠としては、統合失調症などの精神疾患によらずに『6ヶ月以上自宅にひきこもって社会参加をしない状態であること』を目安に考えていきます。


注)斎藤環〔さいとう・たまき〕氏1961年、岩手県生まれ。筑波大学医学研究科博士課程修了。医学博士。現在、爽風会佐々木病院(千葉県船橋市)診療部長。また、青少年健康センター(東京都文京区)で思春期の電話・手紙を担当。専門は思春期・青年期の精神病理、及び病跡学。著書に『社会的ひきこもり-終らない思春期』(PHP新書)、『若者のすべて-ひきこもり系vs自分探し系』(PHPエディターズ・グループ)などがある。
<著蕃『「ひきこもり」救出マニュアル』から一部抜粋>



現代社会はいろいろなストレスに満ちています。ストレスが大きすぎて、自分の力ではどうすることもできなくなってしまう人もいます。そんな時、自分自身を守るためにひきこもり、休息をとろうとするのです。一番どうにかしたいと思っているのはご本人です。本人は「ひきこもりではない」「ひきこもりは悪くない」「ひきこもっていてもいいじゃないか」と言うかもしれませんが、ほとんどの人が内心では『このままではいけない』と思っています。将采の自分が不安でしかたないのです。ひきこもっている本人は元気に社会に出てゆけない自分を責めてしまっています。ですから、元気な姿になるためには、周りの援助が必要です。



「社会的ひきこもり」の原因はひとつではありません。さまざまな要因が複雑に絡み合って「社会的ひきこもり」という現象を生み出します。
ひきこもった原因を見つけることは、回復のために絶対に必要な条件ではありません。
大切なのは、「今いるところからどんなふうにしていくことができるか」です。



例えば…
・人に会うことや、外出することが困難になる。友人が極端に少なくなりがち。
・昼と夜の逆転。(世の中の人々が活動している時間帯は、ひきこもっている本人にとって、葛藤や劣等感を感じやすく、過ごしづらい時間)
・どこに心のより所を求めていいのか分からず、また将采に希望が持てないため、気持ちが不安定になりやすい。
・腹痛や下痢、頭痛などの身体症状が現れることもある。
・両親とあまり話さなくなったり、自分が望んでいることしかやろうとしなかったりする。両親が善かれと思ってしたことを拒絶し、できるだけ距離を取って生活しようとする。
・場合によっては、昔のことで親を責めたり、荒い言葉遣いをしたりすることもある。
・ストレスを過食などの食行動で発散することもある。
・子どもがえり、親を召使のようにあつかう。
・ときに家庭内暴力。                                 このページの最初に戻る